平成27年度 山本第三病院 指標
- 目次 -
- 1. 年齢階級別退院患者数
- 2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
- 3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
- 4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
- 5. 脳梗塞のICD10別患者数等
- 6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
- 7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数
・10歳代から入院されていますが、70歳代以上の方が多く、これらの方でほぼ7割を占めています。
一番多い年代は70歳代で全体の31.3%となり、次いで多いのは80歳代で全体の29.2%となっています。
これらは地域の高齢化社会を反映しているものと考えられます。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
内科
・肺炎の患者様と誤嚥性肺炎の患者様が多くなっています。
高齢の患者様で嚥下状態の悪い方が誤嚥をして発症するのが誤嚥性肺炎です。
嚥下機能を回復し、又誤嚥性肺炎の再発の予防の為、嚥下機能訓練を積極的に行っております。
・平均在院日数は全国平均より長くなっておりますが、当院は高齢の方が多く入院期間がどうしても長くなる場合があります。
又、慢性期の患者様が対象の療養病棟へ転棟されると入院期間が長くなります。
・体液量減少症は脱水症の事です。高齢の方は季節に関係なく脱水症になることがあり、十分な水分摂取が必要です。
外科
・外科では、結腸の悪性腫瘍が多くなっています。これは大腸癌の事です。
手術は、患者様の負担が少ない腹腔鏡による手術を主に行っています。
・胆嚢結石の患者様も多く、この手術も腹腔鏡による摘出手術を主に行っています。
・直腸癌の患者様は、化学療法(抗癌剤投与)による入院が多くなっています。
・平均在院日数は全国平均と比較して結腸の悪性腫瘍と胆嚢結石はやや長くなっていますが、直腸の悪性腫瘍は短くなっています。
・当院は腹腔鏡手術を積極的に行っております。
整形外科
・腰椎圧迫骨折による入院の患者様が一番多くなっています。
高齢の患者様が多く腰痛で受診され骨折と診断される場合が多くなっています。
・次は大腿骨の骨折の患者様で、転倒などによる骨折が多く、人工骨頭挿入術や骨折観血的手術を行う場合がほとんどとなっています。
人工骨頭挿入術はインプラントの骨頭を大腿骨に置き換える手術です。
・次も大腿骨の骨折ですが、患者様の状態により手術が出来ず、保存的に治療を行う場合もあります。
・平均在院日数は全国平均より長くなっておりますが、高齢の方が多くリハビリ治療や回復期リハビリテーション病棟に転棟などで入院期間が長くなることもあります。
脳神経外科
・脳梗塞の患者様が多くなっています。脳梗塞は発症から早期に治療を開始すればより軽い後遺症で済むことが期待できます。
手術する場合は少なく、投薬や注射の薬物療法とリハビリテーション等で治療を行う場合が多い病態です。
又、その治療の中で、脳神経を保護する脳保護剤を投与した患者様が2番目に多くなっています。
・頭蓋内損傷とは、外傷による脳内出血や硬膜下血腫などで3番目に多くなっています。
高齢で転倒による頭部打撲が原因の方が多くなっています。
・平均在院日数は、リハビリテーションを早期から開始していますが高齢の方が多く全国平均より長くなっています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
・患者数で「-」となっているところは10未満の場合です。
・癌の大きさと進展度やリンパ節への転移、遠隔転移の有無などで StageⅠ(早期)からStageⅣ(末期)に分類します。
・当院では、初発の5大癌の内、大腸癌、肺癌、胃癌の順で患者様が多くなっています。
乳癌、肝癌の患者様は10未満となっています。
・大腸癌の患者様はStageⅠの患者様は少なく、StageⅡ・StageⅢの患者様の割合が高くなっています。
・肺癌はStageⅣ(末期)の患者様の割合が高くなっています。
・胃癌はStageⅢの患者様の割合が高くなっています。
・全体的にStageⅠ(早期)の患者様の割合は少ないですが、内視鏡検査などにより早期発見、早期治療を心がけています。
・他病院からの紹介患者様が多く、手術や化学療法など患者様の状態に沿った治療を行っています。
・内視鏡的治療や腹腔鏡的治療を積極的に行っており、消化器全域にわたって広く診療を行っています。
ファイルをダウンロード成人市中肺炎の重症度別患者数等
・患者数で「-」となっているところは10未満の場合です。
・市中肺炎とは、病院以外で発症した肺炎の事です。
・重症度0=軽症、 重症度1と2=中等度、 重症度3=重症、 重症度4と5=超重症 のことです。
・当院は中等度の患者様が多く、全体の57%となっています。
・重症度が上がるにつれ、平均在院日数が長くなり、平均年齢も高くなります。
・市中肺炎は年齢が上がるにつれ重症化していることが分かります。
・重症度0(軽症)の患者様の平均在院日数が長いのは、一部の患者様に骨折などの他疾患があったため長期となっています。
ファイルをダウンロード脳梗塞のICD10別患者数等
・患者数で「-」となっているところは10未満の場合です。
・ICD10とは国際疾病統計分類に基づいた分類です。
・脳梗塞は、いろいろな傷病名に分類され、表のように7種類に分類されます。
・当院では、G46$、I675、I679 の患者様は入院されていません。
・一番多いのは、「脳梗塞」に分類される患者様です。
発症から3日以内の急性期の患者様が多く、81%となっています。平均年齢も76歳と高齢となっています。
・平均在院日数は、リハビリを積極的に行う回復期リハビリテーション病棟へ転棟することにより、長くなっています。
当院は早期からリハビリテーションを行っており、早期の社会復帰を目指しています。
・転院率が低いことは、治療やリハビリテーションなどにより自宅等へ戻られた患者様が多いことを示しています。
ファイルをダウンロード診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
内科
「Kコード」・・・診療報酬点数表の手術コードのこと。
「術前日数」・・・入院日から手術日までの日数(手術日は含まない)
「術後日数」・・・手術日から退院日(転院日)までの日数(手術日は含まない)
・大腸ポリープに対する手術が一番多くなっています。
この手術は外科においても実施されていますが、件数では内科での件数が多くなっています。
内視鏡での手術のため、術前日数と術後日数は少なくなっています。
・次に経口摂取が不良の為、胃瘻を造設する手術が多くなっています。
術前日数と術後日数が長くなっていますが、この手術が目的で入院した場合ではなく、他の傷病で入院し、入院途中に嚥下機能低下などにより胃瘻の造設が必要になったことや、療養病棟に転棟される方などで術前術後の日数が長くなっています。
・次に胃潰瘍などで出血した場合に実施する消化管止血術で、術後日数がやや長くなっていますが、この場合も療養病棟に転棟される方などで長くなっています。
外科
・内科と同じく大腸ポリープに対する手術が一番多くなっています。術前日数は内科に比べ若干短くなっています。
術後日数は逆に内科に比べ若干長くなっています。転院率は0%で全て自宅等に帰られています。年齢は内科に比べ高くなっています。
・胆石による腹腔鏡下胆嚢摘出術は2番目となっています。また年齢は他の手術に比べ若くなっております。
・鼠径ヘルニアは脱腸とも呼ばれている中高年の男性多い病気です。この手術も胆石の手術と同じように腹腔鏡下にて行います。
当院では患者様に負担が少ない腹腔鏡手術を積極的に行っております。
・転院率は全て0%でほとんどの患者様が自宅等に帰られています。
整形外科
・患者数で「-」となっているところは10未満の場合です。
・1番の人工骨頭挿入術(股)は、大腿骨頚部骨折で行われる手術です。インプラントの骨頭を大腿骨に置き換える手術です。
術後日数が多くなっていますが、これは当院のリハビリを集中的に行う回復期リハビリテーション病棟へ転棟される患者様が多いので長期になっています。
転院率は10%で、30人中3人が転院しています。
・2番目の骨折観血的手術(大腿)は、主に大腿骨転子部骨折で行われる手術です。この手術も術後日数が多くなっています。
この場合も、リハビリを集中的に行う回復期リハビリテーション病棟へ転棟される患者様が多いので長期になっています。
転院率は0%で、ほとんどの患者様は自宅等に帰られています。
・3番目の手術は、化膿性関節炎や関節リウマチの患者様に行う手術です。術後日数が長期になってます。
高齢者の化膿性関節炎の場合、手術後は入院期間がどうしても長期になることがあります。
又、療養病棟へ転棟した場合も長期となっています。
・平均年齢は、1番と2番が80歳代、3番が70歳代と高齢になっています。
脳神経外科
・1番の手術は、慢性硬膜下血腫の患者様で、転倒などで頭部打撲し頭蓋内に出血した場合に行う手術です。
・2番の胃瘻造設術は内科で2番となっている手術です。内科と比較して、術前日数と術後日数は長くなっています。
理由は内科と同様で、他の傷病で入院中に嚥下機能低下などにより胃瘻の造設が必要となったことや療養病棟に転棟されたため長くなっています。
・3番の手術は、頸椎症など頸椎の病気に行う手術です。術後日数は他と比較して短くなっています。
・転院率は胃瘻造設術が多くなっています。
これは、脳梗塞等で入院され、療養病棟に転棟後他の病院へ転院するケースがあったためです。
脊椎固定術の転院率は0%で、全て自宅等に帰られています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
・この指標にある、播種性血管内凝固症候群と敗血症は、点数が高く設定されています。両疾患とも全身性の重症な病気です。
入院の契機となった病名がこれらの病名と同一か異なるかを表しています。
・入院契機病名と異なる場合が多いのは、他の疾患で入院し、全身状態が悪化し、播種性血管内凝固症候群や敗血症になった場合です。
・播種性血管内凝固症候群の入院契機病名と異なる場合は、肺炎などの呼吸器疾患が一番多く、次いで腎盂腎炎などの尿路系疾患、胆管炎などの胆道系疾患、脱水症などの内分泌系疾患、心不全などの循環器系疾患などとなっています。
・敗血症の入院契機病名と異なる場合は、肺炎などの呼吸器系疾患が一番多く、次いで脱水症などの内分泌系疾患、胆嚢炎などの胆道系疾患、腎盂腎炎などの尿路系疾患、心不全などの循環器系疾患、急性肝炎などの消化器系疾患などとなっています。
・その他の真菌感染症や手術・処置等の合併症は件数が少なくなっていますが、ほとんど入院契機と同じ病名で入院されてます。
合併症は術後の感染等ですが、発生率は入院契機病名と同一の場合で0.27%、異なる場合で0.03%と低くなっています。
更新履歴
- 2016年9月26日 新規作成